京の旨い店ロゴ

何の気なしに立ち寄ったお店が、かなりの良店だったので
食レポを書いてみます。

まぁ慣れない感じですが、よかったらお付き合いください。
ということで今日のお店はコチラ↓

海鮮料理 海
意外と食べログにページがあったのが少し驚きです。 
ただ、このリンク先からは店の良さが伝わってこないのが残念。

だから、代わりに私が伝えよう!な感じで す。
それではいってみよう、書いてみよう。 
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始まりは期待なく

仕事帰りに連れ合いと夕食を共にすることになり、河原町
二条の辺りを歩いていると、連れ合いがとある看板を
指さし「あの店いいんじゃない?」と声をかけてきた。

「海鮮居酒屋 海」と書かれた看板は、特になんの特徴もなく
ごく普通な感じで普通だったらスル―してしまうところ。

隣はアイリッシュパブが営業しており、フィッシュアンドチップス
やアヒ―ジョなんかがメニューとして出ている。

特にどちらに行きたいという訳では無かったが、ダイエット中の
私としてはできるだけヘルシーなものを食べたかったので、
「海」に入店することに。全然期待していなかったから、写真も
ロクに撮っていない。


禁煙、そして注文

入店してみると、そこは魚料理屋ということもあって禁煙。
私は禁煙に成功しており今では全く吸わないが、連れ合いは
食事しながらタバコを吸いたいタイプ。禁煙であることに
気付いた時には、おしぼりが出てきていたので、さすがに
退店しづらい感じだ。連れ合いの顔も曇る。

私も今日は色々話をしながら食事をしたかったので、このまま
連れ合いが不機嫌になるのは避けたいところ。
とりあえずお酒と1品頼んで、すぐに店を出ようと連れ合いに
促したところで、ツレは早速タバコを吸いに外にでる。

先に注文をすることにした私は、無難な「海鮮サラダ」を注文、
あと、アイリッシュパブへの繋ぎとして、ニンニクの丸焼きと
ビールを注文した。


オーガニックという言葉に

タバコを吸いに出た連れ合いも戻ってきて、会話しながら料理を
待つ。周りに客はもう1組しかいないため、そうこうする内にサラダ
がやってきた。思いの外、美味しそうな感じ。

海鮮はイカ、タコ、メバルで、野菜はレタス、菜の花、赤カブ。
さっそく食べてみると、野菜の優しい味に海鮮が合って美味しい。
心なしかゴマが普通のよりも美味しい気がする。失礼だが意外と
旨い。

サラダが1300円なので、そこそこの値段がするだけはあるなぁ、
なんてことを思いながら連れ合いとメニューを見ていると、やけに
「オーガニック」という単語が多いことに気が付く。

私は「オーガニック」という言葉に価値を感じないタイプの人間だ。
化学調味料でも全然OK。個人的な考えだが、ロハスを代表と
するような専民主義的な健康志向に苦手感がある。

そもそも、有機栽培を賛美する声が多い一方で、栽培に使用
される有機肥料の安全性まで保証されていることは非常に
稀だ。要するに、私は「オーガニック」を信用していなかった。


想定外の現実

どうやらメニューをみていた連れ合いも1品頼むようだ。
悩んだ結果、「旬の魚と野菜のあんかけ」を注文。
寒い日にはちょうど良いかもしれない。ニンニクとあんかけ
を食べたら出ようと思ったところで、ビールが空になる。
さすがにニンニクを食べるのにアルコールが無いのは忍び
ないので、ダイエットにも優しいハイボールを頼む。どうやら
ウイスキーもオーガニックらしい。

よく分からないが腹に入れば一緒だろう。なんて考えてたら
ニンニクが到着。店員が言うには岩手県酸の有機栽培
ニンニクとのこと。派手な臭みは無く、香ばしい匂いが食欲を
そそる。とりあえず、ハイボールの到着を待ってから食べる。

旨い。甘いし、ニンニクの匂いも控えめ、しかし根菜の旨味が
ハンパない。有機栽培のせいか小振りなのが惜しいと思い
つつハイボールに手をやる。

これも旨い。昔、余市で飲んだオールドボトルに似ている。
あまり詳しくないが、香りもシングルモルトのそれを爽やかに
した感じで、且つ飲みやすい。最近はダイエットのために
角瓶ばかり飲んでいたせいか、美味さの違いが明らかだ。

おかしい。「オーガニック」ってこんなに美味しいものなのか?
身体に良いだけで、味は問わないようなイメージは私の
偏見だったのだろうか。


店主降臨

予想と現実の違いに戸惑っていると、あんかけが到着する。
魚はメバル、野菜はサツマイモ、菜の花、しいたけ、山芋、
そして上には菊芋のチップが乗っていると、店主らしき人が
教えてくれた。

なんだか餡の透明度が強く、シャバシャバしている気がするが、
美味しいのだろうか。余計なことは考えずに口へ運ぶ。

…これも旨い。というかなんだこの餡は。味に全く角がない。
それにこのサツマイモは絶対にアレだ。このあいだスイート
ポテトで食べた安納芋に違いない。餡の塩気とマッチして
超甘い。そして極め付けは上に乗っている菊芋チップ。
これが絶品すぎる。芋の旨さを凝縮した感じで、穏やか
ながらもトータルでド派手な美味さになっている。

こうなてくると、さすがに気になって店主に聞かずには
いられない。

これはオーガニックだから美味いのですか?
それとも調理の仕方が上手いから美味いのですか?


美味しいと感じたものは全部…

店主はこう答える。

「完全なオーガニックだから美味しいんですよ」

そして色々教えてくれた。店主はもともと先斗町や木屋町で
ずっとお店をやってきたそうだ。そして昨年の四月から
オーガニックのお店に変えるために、河原町二条に引っ越し
してきたとのことだった。

でも、なぜオーガニックにしなければいけなかったんですか?
店主はこう答える。

「自分が心から旨いと思ってきたものについて、改めて調べて
みると、全部がオーガニックだったことが分かったからです」

店主が言うきっかけはこうだ。昔、同じ酒蔵で同じ精米歩合、
同じ水で作った2種類の酒を飲んだらしい。2つの違いは
米が減農薬か、無農薬かということ。結果として、無農薬の
方が圧倒的に美味しく、自然と喉を通っていったそうだ。

それからというもの、店主は店に卸す酒を調達するにも、
まず酒蔵に行き、それからその酒を作るための米を
作っている農家まで行き、生産の工程や肥料の質まで
確認してから、買い付けているそうだ。

私が飲んだハイボールもスコッチウイスキーだそうで、
イギリスから仕入れているそうだ。ちなみにこの後、
ブランデーハイボールも頼んだが、旨かったのは言うまでも
ない。


「ホンモノ」を知ってしまったら…

また店主は他にも教えてくれた。昔は酒を「百薬の長」と
言ったりしたのも、酒自体がそもそもオーガニックとしての
産物だったからということ。有名な酒や大吟醸であっても、
肥料までオーガニックにこだわっている所は、今では少ない
ということ。

そして有機農産物に体知っての国の認定基準もあいまいで、
形骸化しているためエセオーガニックが市場に氾濫している
ということ。本当のオーガニックは、「質」を保証するに足る
要素であるということ。

そして、どんなものでも「ホンモノ」を知ってしまった以上、
知らないフリはできない、ということ。

味オタクな店主にとっての「ホンモノ」がオーガニックだったの
だろう。今では調味料も油も全部オーガニック。ポン酢は
店主の頭の中からはオーガニック以外のものは消えて
しまったのだ。

今まで私が感じていたオーガニックへの誤解も、すでに
どこかに消えていた。


最後の〆めは

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やはり「米」。

福井県産の粘りの少ない米は、炊飯器では炊けない感じの
アレだ。もはや何で炊いてようが、そんなことは問題では
ない。米の香りが良い。そして甘い。
一緒に注文した漬物もよくあう。特に、菊芋の醤油漬けは
もはやメインと言えるくらい旨かった。

良い意味で期待を裏切られることの連続で、全然写真が
ないのが残念だが、どれも見た目良く、味も良しと太鼓判を
押すことが出来る。
 
もし近くに立ち寄ることがあれば、味オタク な店長のこだわり
溢れるオーガニック料理を楽しんで欲しい。